かわむらの
日々

白生地から色無地を染める提案などをしている関係で、そこからもう一歩装飾を加えた一例を紹介しようと思います。

商品紹介ページにも載せてありますが、丹後の紋意匠ちりめん地を深みのある茄子紺に染めて衿と袖口に刺繍を加えた振袖です。当店主導の制作品ではありませんが、今回の提案によく合っている感覚なので一例として取り上げます。

大振りな薔薇を織り出した地。濃い色に染めるとより文様が浮き出ます。

衿と袖口のみに刺繍を入れることで、無地感覚を残しつつ個性的な顔つきに仕上がったと思います。同時にコストダウンも達成。

刺繍は非常に自由度の高い装飾ですから、特に手刺繍の場合にはかなり思い切った提案も出来ます。コストとの相談になりますが、一点勝負で変わった柄を入れるというのも有りなんじゃないかなと思います。そういう相談、けっこう好きですよ。

変わっていることばかり勧めるわけではありませんが、誂えの楽しみは他にない一点物を作ることにあるでしょうから、提案の幅を広げるべく常に勉強中です。