かわむらの
日々
着物
小紋の着尺を袋帯に
いきなり個人的な話から始まりますが、先日、2回目のワクチン接種を終えてきました。若い人ほど副反応が出やすいと聞いていたので身構えていましたが、特に目立った症状は出ず、ほっとしているような残念なような複雑な気持ちでいます。
さて、最近、着物リメイクという言葉をよく耳にします。この場合の意味としては、ご家庭にある着なくなった着物をほどいて洋服やバッグや小物などに作り替えることを指していますね。当店でも着物からバッグなどを作るメニューなどを用意はしていますが、呉服屋としてはやはり、着物は着物で活かしていただくのが一番だと考えています。
そういった意味でのリメイクとは違い、元より呉服屋の仕事は応用が多いものです。一反の生地から作られるものは一着の着物に限らず、考え方によって活用法はたくさんあります。今日はその一例。
源氏香の小紋にのせたこの帯、こちらも元は小紋の着尺でした。はっきりとした朱系の地色に粋な波文様は帯にした方が活きるだろうと言うことで、裏地を用意して袋帯に仕立てました。柄の取り方に違いが出ますが、一反から二本できます。着物にすると地色が強く派手に感じるものも、帯にすると意外に使えたりするものですね。昔の個性的な羽尺を帯にした時にも好評いただきました。
ご自宅に手をつけずに反物が残っている方もいらっしゃると思いますが、反物=着物という観念から離れて活用法を考えてみるのも良いかもしれません。意外に化けるかもしれないですよ。