かわむらの
日々
帯合わせ
付下げと九寸名古屋帯
今年は行動制限が大幅に見直されたことにより、過去二年間控えていた記念事業を行う団体が多いですね。当店周辺ではちょうど周年に当たる団体も多く、この秋はちょっとしたイベントラッシュの様相を呈しています。
そういった場所へ出席する際の衣装として、付下げと名古屋帯の組み合わせがよく出ています。記念パーティーでのスタイルとしてコッテリとした柄つけの訪問着では重く感じる方が多く、付下げへの引き合いはとても強くなってきています。
また、披露宴など所謂フォーマルシーンも、昔の感覚とは違うものになってきていますね。メーカーが留袖を作らず、付下げと小紋の方に注力していることからも、そういった流れが分かります。
今日は、そんな一例を紹介します。
千切屋の付下げ「市松取り宝尽くし」に梅垣織物九寸帯「絵本小袖文」
全体的に明るいイメージを持たせながら、あくまで落ち着いた雰囲気に仕上がった一品。こういった感覚は年齢層も幅広いですね。丁寧な仕事の賜物です。
梅垣織物の名古屋帯は、袋帯にも負けない格を感じさせます。セミフォーマルシーンで名古屋帯を装おう時には、当然ながら帯の格、言い換えれば帯の顔つきを気にしなければいけません。
梅垣さんの名古屋帯はその点からも最適です。もともと西陣のなかでも最高な作り手の一つに数えられていますから、当然と言えば当然なのでしょうが。今日の組み合わせも、年齢も問わず上品に纏まっていると自画自賛です。
格のある名古屋帯というアイテムは、染の作り手さんたちもそれぞれ取り組んでいるところです。今年も多くのお客様に提案させていただきました。過去のこのコーナーのなかでもいくつか紹介していますが、またシリーズ的に取り上げていきますね。ご期待ください。