かわむらの
日々

帯合わせ

百鬼夜行

ゴールデンウィークも終わり、今日は五月の八日、三年間に渡って続いてきたコロナウィルスの疫学上の位置付けが変わる日です。と言っても、特に大騒ぎする様子も見られませんね。相変わらずマスク姿の人も多いですし、劇的に変わらないところも日本人らしさかもしれません。

雨にも降られて、当地周辺はやや涼しい感じですが、全国的に見ると季節を先取りした気候になっているところが多いようです。最近の当店を振り返っても、皆様の夏物への反応がここ三年間とは明らかに違う様相を見せています。

イベント参加のための相談もありますが、普段から夏物を楽しむための注文も目立ちます。今日は普段使いのコーディネートを一例紹介します。

十日町、根啓織物の明石縮に、醒ヶ井の麻九寸帯を合わせてみました。

蝉の羽根にも例えられる、薄くしなやかな肌触りが魅力の明石縮。全盛期だった昭和初期の柄見本から復刻させた矢羽根文様です。

ここでも何度か取り上げていますが、麻地に様々なテーマで素描きしてもらったうちの一点です。本歌のおどろおどろしくもどこかユーモラスな雰囲気をよく表せているかと思います。

夏の暑さを少しでも忘れるため、涼しげな素材にちょっとひんやりするテーマを選びました。こういった遊び心を取り入れるのも、今年の夏を楽しむ一計かもしれません。いかがでしょうか。

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