かわむらの
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綸子地長襦袢 手描きの猫、鼠
当地富士宮では本日まで夏祭りが開催されています。今年はやっとコロナの制限がなくなったと言うことで、猛暑の中でも多くの人出で賑わいました。最終日の今日は雨が予報されていて心配されますが、多くの人に楽しい思い出を作っていただきたいものです。
そう言うわけで、こちらの更新も怠ってしまっていました。久しぶりの更新で取り上げるのはこちら。
醒ヶ井さんの綸子地に手描きの長襦袢シリーズ。
丹後で織られている中でも最高級の綸子地を選び、そこに濡れ描きで文様を表したものです。南天とか紫式部など植物を描いたものが多いシリーズでしたが、番外編的に仕上げてきた鼠。
留袖の下に着られることを想定して作っていたものですが、格式ある第一礼装の下でこんなに可愛らしい世界が展開されているとは思いもよらないでしょうという、まさに逆裏勝りの発想です。一応、多産の鼠は繁栄を意味する吉祥文様でもありますし、ふさわしくない訳ではありませんしね。
さらに遊んだのがこちら。
鼠と言えば相方は猫。吉祥文様になるように招きのポーズを入れました。
フォーマル向きなものにこうした脱力系な柄を入れるのも、なかなか楽しいものです。職人さんは描いている時にどんな表情をしているのか、ちょっと気になったりしますね。ど真剣だったりして。
生地の良さは折紙付きです。見えない部分だからこその楽しみにいかがでしょうか。