かわむらの
日々
帯合わせ
刺繍のうさぎ 付下げと染帯
お盆を過ぎても相変わらず茹だるような暑さが続いていますが、蝉の大合唱の合間に赤とんぼの姿が見られるようになってきました。ああ、夏も終わりが近づいているんだなと確認させられる情景です。若い時には夏の終わりを寂しく感じる気持ちが強かったですが、だんだんと体力のの衰えを感じる昨今では、寂しさとホッとするような感情が入り混じるようになってきました。まして今年のような猛暑が続けばなおさらですね。
今日は、季節を先に進めた組み合わせです。
ともに刺繍でうさぎを表した、小紋と塩瀬染帯。小紋の制作は井登美、染帯はフジモトです。
着物と帯で題材を同じにするのは、合わせ方によっては野暮に映る危険がありますが、この感覚ならいかがでしょう。飛び柄で文様をはっきりと表している小紋に対し、地と同系色で表した帯の方は一見では何の表現か分かりにくく、そのワンテンポがお洒落かな、などと一人で満足しております。
月を愛でる時節の頃、果たしてこの気温はどうなっているのでしょうか。今からそんなことが気になっていますが、古来から伝えられてきた日本の四季を楽しむ気持ちだけは忘れずにいたいものです。