かわむらの
日々
帯合わせ
単衣向き付下げ 流水ぼかしに菖蒲
4月5日、当地では入学式を行う小中学校が多かったようです。我が家でも甥が晴れて一年生になりました。こういった記念の日を無事に迎えられるのは嬉しいものですね。今日はそんな喜びがあちこちに溢れた一日だったでしょう。コロナの時期を経て、改めてありがたみを感じます。
さて、紹介品は季節を先に進めます。
ぼかしを流水に見立て、菖蒲がその流れに乗っているかのように描かれた付下げ。題材の通り、単衣向きに制作された一品です。単衣向きの付下げは最近お声がかかることが多く、取引先各社に依頼してきました。この一品はフジモトさんが答えてくれたもので、着用期間としてはかなり限られるものの、その分季節を身に纏うという着物を着る楽しみは大きなものがあると思います。
帯あわせ。同じくフジモト制作の染九寸帯「芽柳に蛙」をのせてみました。北近江の浅井紬の薄物を地にしたもので、洒脱な画風と相まって洒落感が強い合わせ方になります。
こちらは醒ヶ井制作の染の絽九寸帯「木賊にゲンゴロウ」 水つながりで合わせてみました。
堅い合わせ方もありますが、やはり軽いシャレ感がある方が面白いなと思います。桜が過ぎれば新緑の季節もすぐでしょう。気温の上がり方がなかなか読めない日が多くなっていますが、それだけに単衣の重要性は増していくように思います。ぜひ見直してみてください。