かわむらの
日々

着物

染九寸帯 横線

画像は載せませんが、今年は当店の看板ツバメが賑やかです。最初の家族の孵化も無事成功し、仮称よしこちゃんが巣立っていったその直後、二組目のつがいがやってきて居抜き営業をはじめ、今度は数羽産まれてきそうな気配がしています。商売繁盛の象徴とも言われているツバメの来訪ですから、期待しながら見守っております。

店の方は夏物が賑やかです。コロナの影響が完全になくなり、今年は大小のイベントが皆復活してきているのですね。やはり人が動かないことには何も始まらないんだなと、改めて実感する毎日です。

さて、取引先さんとの会話はすでに秋冬の方に向かっています。第一陣としてフジモトさんから染の仕事が届きました。

染の九寸帯「横線」

味も素気もない品名ですが、優美な線表現は当店の大好物で、今までにも少しずつ変化をつけて様々なタイプを制作してもらってきました。

太鼓部分をアップで。

今までは染下地に塩瀬を選択することが多かったのですが、今回は縮緬です。塩瀬の光沢感と違い、ややマットな感覚に仕上がりました。この地色の場合、これも良い染め味なのではと一人悦に入っているところです。

ハラ文。

優美さという美的な部分に加え、線だけの表現ということで着物との合わせやすさも魅力です。季節や格もそうですが、どのような柄とでも馴染みやすいと思います。その辺りも支持される要因の一つでしょう。

おすすめな一品です。

 

©呉服のかわむら