かわむらの
日々

帯合わせ

明石縮と宮岸麻八寸帯

七月を迎えてしまいました。令和六年も半分を過ぎたことになります。こういった当たり前のことを再確認して恐れ慄くのが、年をとった証拠なんでしょう。分かっているのですが、年月のスピード感には恐れ慄いてしまいます。

さて、いよいよ夏本番が目前。今年は夏のイベントが軒並み復活気配で、夏物に対する引き合いがとても強いですね。過去数年の動きが余りにも弱かったというのが正解かもしれませんが、いずれにせよ有り難さを感じております。今日も夏物の組み合わせを紹介します。

十日町根啓織物の明石縮に、宮岸織物の麻八寸帯をのせてみたの図です。色あいで合わせただけで、特に蘊蓄などはございません。夏らしく、涼しげで明るい感覚を目指しました。

蔓瓢箪。夏らしいモチーフです。先日、違う地方の呉服屋さんのSNSを拝見したところ、この宮岸織物さんの麻八寸帯を新入荷品として数点紹介していました。当店でも数多く扱っているアイテムなので、同じ柄もあるかなと思いながら見進めていくと、見事に一つも被りませんでした。良い悪いということではなく、店による個性や好みでこうも違いがあるのだなということを発見し、嬉しくなる思いさえしたものでした。反対に、被っていたとしても(この人の好みは自分達と同じなんだな)と嬉しいかもしれません。結局、作ってくれる人たちがいて、着てくれる人たちがいることが嬉しいという話です。特にオチもなく、失礼しました。

ハラ文。こういったしゃれ着が求められているということは、日常に近い場面で和装が楽しまれている一つの証でしょうから、これもまた喜んで良いことかと思います。証と明石をかけていることに気づいてもらえたら幸いと思いながら、七月はじめの投稿を終わらせていただきます。

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