かわむらの
日々
帯合わせ
夏の付下げと袋帯
今日は七月七日。七夕の日であると共に、当地では浅間大社のお田植え祭が斎行される日でもあります。豊作と諸事安寧を願い、早乙女役の少女たちが謡い舞う神事です。古くはこの日が富士山お山開きでもあったようで、山麓のこの町にとってはとても重要な日であったわけです。
そして、今日は我が家の長女の誕生日でもあります。十数年前、ちょうどお田植祭が行われている時間に生まれ、数年前にはこの祭の早乙女役にも選んでもらいました。今やすっかり男子と間違えられる容貌になってしまいましたが、そのことはさて置き我が家もお祭りです。
さて、今年の夏は様々なイベントが復活してきています。お茶会や結婚式なども同様で、自然と夏物でもセミフォーマル品への引き合いが強くなっています。ここ数年のコロナ下では、浴衣をはじめカジュアル品はよく出ていたものの、フォーマルはさっぱりだったので本当に様変わりの感があります。
今日はこんな組み合わせで。
絽の付下げに夏袋帯。典型的なセミフォーマルコーディネートです。
縦絽の地に、生地に直接絵筆をふるう無線友禅で描かれています。かなり以前に醒ヶ井さんから仕入れてあったものですが、なんとなく当店らしくない雰囲気でもありほとんど見せる機会もなかったのではないでしょうか。ここでも当然ながら初登場です。
帯は織文意匠鈴木さんの水衣錦シリーズ。雪輪取り疋田文。当店の夏袋帯としては最も在庫量の多いシリーズです。この感覚を持ってくることで、全体的に柔らかく優しい雰囲気に纏まりました。
連日とんでもない暑さが続き大変ですが、工夫を重ねて皆さん着物ライフを楽しんでくれているようです。最良のお手伝いができるよう、私たちも努力しますね。今後ともよろしくお願いいたします。