かわむらの
日々
総刺繍振袖
ここの投稿でも各種SNSでも、当店では振袖の投稿をあまりしません。それでも決して振袖を扱っていないわけではなく、むしろ在庫としてはかなり持っている方だと思います。しかし、投稿を楽しみにしてくれている方の中では振袖の需要が低く、過去に振袖の投稿を続けた時にはお客様からお叱りの連絡を受けたことがあるくらいです。それ以外にお叱りを受けたことと云えば看板に巣作りするツバメの投稿を続けた時くらいしか記憶がないので、当店の主要なお客様からするとツバメ並みに興味がないのが振袖ということになってしまいます。
あまりに投稿がないと取り扱いのない店と勘違いされても困りますので、今日は振袖を紹介します。
店内入口の方に展示した一品です。ほとんどの装飾を刺繍で表現しました。相方にはとなみ織物の袋帯を合わせております。
大振りな刺繍は蘇州の熟練職人によるものです。摺り疋田と地染は京都で。
インクジェットによる染が多くなってきた昨今、加工的に重い振袖を求める方は刺繍のものを求める向きが多くなってきました。絞りと並んで、刺繍にはそれにしかない豪華さがありますから、そのお気持ちもよくわかります。当店としても、こういった豪華なものをできる限りお求めやすく提供することで、現代の振袖販売の中で居場所を見つけて行こうと思っております。
となみの立涌内裏菊文、今では珍しくなった引箔の全通です。刺繍の豪華さにも負けない風格がある一品。
振袖選びはレンタル含め多様になってきましたが、こだわりの強い方は遠方からでも問い合わせいただくことがあります。当店ではなるべくお顔を合わせ直接ご覧になっていただきながら選んでいただくスタイルをとっています。遠くて来店が困難な方には、例えば京都や東京の当店取引先店舗でお会いするということもできますので、当店の品物に興味がある場合にはご連絡ください。過去にも何度かそのような対応を取らせてもらったこともありますので、可能な限りのご提案をさせていただきます。