かわむらの
日々
着物
男物道行コート
この週末はグッと気温が下がり、冬らしい張り詰めた空気を感じられる様になりました。よくしたもので、気候がこうなってくると羽織物への注目が上がってきます。新調してみようという思いがあっても、調子が狂うくらい暖かい日が続くとなかなかピンとこない様ですね。気温が低くなるに比例してお声掛けいただくことが多くなってきました。
冬物の羽織、コートに必須なのが裏地です。この裏地選びも羽織物の楽しみの一つ。特に男物ではその傾向が強くなりますね。今回は裏地で面白いものを探して欲しいというミッションを頂いたので、新たに集めてみたものをここでも紹介してみます。
まずは風神雷神。男物ではむしろポピュラーな存在ですね。学生服の裏をカスタマイズしていた世代には懐かしささえ感じるかもしれません。
唐獅子。風神雷神と並んで強面な画題ですが、色といい表現といい上品な仕上がりでとても好印象です。こちらは羽裏や長襦袢専門の桂商店さん制作です。
千鳥。すでに何度か扱っている物の新バージョンですが、この表現にも粋さを感じますね。このあっさり感が逆にお洒落。
歌川国芳の流行猫のおも入の写し。先の千鳥とは真逆の、裏勝りな一枚です。落ち着いた男の羽織の裏にいかがでしょうか。
猫繋がりで。70年代的感覚。長襦袢分染め出してあります。こんな感覚を表として仕立てたお客様もいらっしゃいます。生地もしっかりしているので違和感なく着用できた様で、そんな使用法もおすすめです。
譲り受けた着物の裄が短く、伸ばすこともできない場合などにも、羽織姿になることでカバーしてしまうなんてことも可能です。重ね着ならではの楽しみを広げてみましょう。