かわむらの
日々

帯合わせ

源氏香と文庫文様

オリンピック中継と共に、今の時期は高校野球を楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。球児たちの体調面から開催時期が議論されているという話もありますが、昔から「夏」を感じさせるコンテンツであることは間違いないですね。球場でもテレビの前でも、かき氷など口にしながら観戦すれば正に夏満喫です(ビールでも可)。

日本には四季があり、それぞれの季節を楽しめることが喜びです。着物の世界でも柄に季節を取り入れ、その季節を楽しむのが理想でしょう。でも、実際の着用となると、出来れば季節を問わずに幅広く着られるようにしたくなるのが人情です。着物ライフをスタートさせたばかりの方なら尚更。

そこで、こんなコーディネートはいかがでしょうか。

摺友禅で表した源氏香の小紋に、文庫文様を織で表した九寸なごや帯。

制作は千切屋。源氏香は源氏物語の各巻を表したものですから、厳密的にはそれぞれの舞台となる季節がありますが、そこはまあ考えずに草花のような直接季節を感じさせないものとして重宝します。

梅垣織物の九寸なごや帯です。梅垣さんの九寸帯は袋帯にも負けない風格があり、季節以外にも幅広く使える魅力があります。特にこれは文庫文様で(中に四季の花が表されていますが)やはり季節を問わずに締められますね。着物の柄との相性も幅広いでしょう。

合わせてみた全体の雰囲気も品格があって、安心感のある組み合わせになりました。良い意味にも悪い意味にもスタンダード、オーソドックスという評価を受けそうですが、だからこそ長く幅広く着られるのだと思います。

両者ともに素材も加工も非常に水準が高いので、そういう意味からも安心しておすすめが出来ます。そこが一番大事ですよね。

 

 

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