かわむらの
日々

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子供の頃の下駄

弟の家から届いた荷物の中に、こんな物が入っていました。

私か弟のどちらかが子供の頃に履いていた下駄。甥っ子たちの衣装の足しになればと持って行かせていたようですが、履く機会もないまま大きくなったので戻ってきた次第です。

イタズラに貼ってあるシールにも時代を感じますね。おそらく当時の子供雑誌の付録についていた「赤ずきんちゃん」。きっと70年代。歯の減りも一人の子供が一、二年履いた程度です。甥っ子たちが履かなかった事実を鑑みてみると、これはおそらく私か弟のどちらかが履いたその状態のまま残っていることになります。40年以上経った今、そんなことを考えながらこうして手に取ってみると、何だかとても感慨深いものがありますね。自分たちの歴史の証人と相対しているような、そんな気持ちがしてきます。

従兄弟たちも皆この種類の下駄を履いたようで、見ながら懐かしい話に花が咲きました。サブスクという言葉が隆盛を極めているように、最近では物を所有することをせずにその時によって使い分けることを良しとする傾向があります。呉服業界でも、七五三や成人式などはレンタルが主流になっていることがその証ですね。決してそれを否定するものではありませんが、ある時期の自分と共に写真に写っている物が、それを見ている自分の横にまだいるということもなかなか良いなと思います。聞く人によってはノスタルジーとかナルシシズムと片付けられてしまうかもしれませんが、物にも心を豊かにする力があるということは事実ですよね。こんな下駄一つでも私たちを楽しませ、感慨を深くさせてくれています。

しかし、この下駄、著作権とか商標とかその辺りはクリアしてたのでしょうかね?そういう表記は見当たらないのですが、裏とか札とかに付いていたのでしょうか?令和の時代になるとそんなことも気になってしょうがないです。

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