かわむらの
日々

着物

長襦袢 こんな一品

普通の着姿では、ほとんど見えることのない長襦袢。それだけに昔から意表を突いた柄や奇抜な柄がよく考案されてきました。最近では、大正から昭和期の羽裏から復刻した岡重の長襦袢などが人気を誇っています。

当店でも、そういった襦袢を見つけるとついつい仕入れてしまい、集まってくると「長襦袢特集」を組ませてもらっています。少し前から、ここを含めSNS上でも色々と紹介していますが、今回も好評いただいています。

今日は、そういう大胆な柄とは少し違う一品を取り上げてみます。

長襦袢でよく使われるオーソドックスな薄いピンク地に、野菜を飛び柄に配した一品。付下げや色無地などに合わせる最初の長襦袢としても良さそうな感覚ですね。

よく見てみると、地紋も野菜。ただでさえ見えない場所にくる物の、よく見なければ見えない部分にこの細工。と言うか、この柄を染めるための別織なんでしょう。手掛けたのは千切屋ですが、こういったロット数が必要な仕事こそ本来の問屋の仕事なんですね。

大胆な柄、意表を突いた柄も面白いですが、こういった控えめな中に工夫されている物も良いなと思う今日この頃です。

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