かわむらの
日々

帯合わせ

梅垣織物角帯の存在感

当店は、地方の呉服店にしては男物の取り扱いが多い方だと自負しております。遠方から来られる男性客の方も多く、そういう方々はこういったページやSNSをアンテナを張って見ておられますね。そういうわけで、日頃はついつい色柄が華やかな女性物を多く取り上げてしまいますが、今日は男物です。

色柄が比較的少ない男物にあって、表地以外の要素が重要なのは論を待たない事実です。取り分け、帯は最も目立つ部分になりますし、コーディネートの中でも一番主張できるアイテムと言えます。

以前から取り扱っていますが、最近になって特に注目を集めてきているのが上にあげました梅垣織物の角帯です。博多のものとはまた違う西陣ならではの、と言うか高品質で知られる梅垣さんならではの締め心地が最大の特長ですね。そんなに数が上がってくるものではなく、着物好きな方々にとってもレアアイテムと見られているようですが、当店では現在三点在庫しています。せっかくなので今日はこの三点を用いて組み合わせ例を紹介します。

まず一例

羽織 千切屋縹紬  長着 丹後ワタマサ紋御召

千切屋の縹紬は同社のオリジナルとして十日町で織らせているブランドです。織物としての質の良さは元より、色も気の利いた面白いものが多いですね。

ワタマサの御召も同様に、地紋の面白さが魅力。これは江戸小紋の角通しを織で再現した一品で、私自身も単衣にして一枚持っていますが、ストンと落ちが良い着心地は独自なものでとても重宝しています。

羽織、長着ともに 西陣紋御召

長く当店の定番にしている西陣の御召。糸の打ち込みが多く、丹後に比べると重みのある生地です。当店の和裁士さんたちも生地の良さに感嘆しています。

羽織、長着ともに 米沢紬

最後は最もベーシックな米沢紬。無地を長着に、格子紋を羽織にする設定で合わせてみました。価格的にも気軽で、はじめての一着としてもおすすめです。

三本の帯に一組ずつコーディネート例を挙げてみましたが、どのように合わせてみてもこの角帯の存在感を強く感じます。良いものはやはり良いと再確認しました。

自分用にも一つ求めたいところですが、まずはお客様に持っていただくのが先ですね。これを締めるにはまだ人間の格も稼ぎも足りないと、家人からご指摘を受けたところです。

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