かわむらの
日々

着物

ぼかし羽尺

ここのところ、冷え込みの厳しい日が続いていますね。ご近所さんとの挨拶もだいたい寒さかコロナです。体が縮こまるような話題ばかりで嫌になってしまいますね。

寒さの方は悪いことばかりではなく、衣服の世界では重ねる楽しさを味わえる利点があります。着物では羽織やコートを羽織る楽しみですね。大柄や大胆な柄など、羽織向きな着尺から羽織を作るお客様が目立つ近年ですが、今日は敢えて羽尺を紹介してみようと思います。

暈しの羽尺。少し以前に醒ヶ井さんから分けてもらってあったものです。

この感覚、色々な品名や作家の名前が冠せられて商品化されているのを見たことがあるかもしれません。複雑に入り交じる色を出すため、一つの色を掛けてそれが乾かないうちに次の色を掛けるという、なかなかにスピード勝負なところがある製法が取られています。また、色の出し方は職人さんの感性と腕に大きく委ねられるわけです。当店に届いているものたちでも一つとして同じ色の出方をしているものはなく、一つ一つが完全オリジナルという言い方もできるわけですね。

意表を突いた柄を楽しむのも羽織の良さですが、こういった感覚もまたジワジワ楽しめるのではと、ふと思い立ち取り上げてみた次第です。おすすめですよ。

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