かわむらの
日々
帯合わせ
大人な毬文様をコーディネート
昨年末にフジモトさんから上がってきた塩瀬の染帯。非常に細かい糸目を引いて描かれた毬が目を引く一品です。
幼い時代の象徴的な題材である毬を、どこか大人びた、妖艶ささえ感じてしまうような雰囲気に描き上げたところが本品の特徴であり、魅力であると感じています。
どんな着物と合わせたらこの柄の魅力が増されるのかなと、今日は色々とコーディネートしてみます。
まずは矢絣文様の小紋。かつての女学生を象徴する柄として、大人から子供に変わっていく通過点を表すような気持ちで合わせてみました。実際に着る方はそんなことを考える必要はなく、この全体的に馴染んだ色合いを楽しんでいただければ良いと思いますが。
でも、矢絣と毬をこんなにシックな感覚で表している組み合わせは、なかなか贅沢だなと思います。
より明るく華やかな印象にまとめた組み合わせ。桜地紋に桜刺繍の付下げです。地色も正に桜色で、春の柔らかな雰囲気をよく表しているところに加わる毬文様。優雅です。
濃地も行ってみようとまず選んだのがこちら、手描きの蝶文様です。締まった黒地に乱舞する蝶は、やはり大人と子供の間を行き来しているような感覚があります。可愛らしくも何となく妖艶な雰囲気を感じるという点で、共通するものを感じます。
同じく濃地で、雅な感覚をという視点から源氏香小紋。飛び柄源氏香はそれでなくとも合わせやすい文様ですが、この毬文様にもそれは当てはまりますね。季節も問わず、実際に重宝するのはこういった組み合わせなんでしょうね。
以上、新作の紹介を兼ねて少し遊んでみました。実店舗でもぜひお気軽にご覧ください。