かわむらの
日々

着物

男の小物

今年の寒さはいつにも増して厳しいものがありますね。重ね着をして体を縮めながら過ごしていると、肩凝りがひどくなって仕方ありません。そうでなくとも凝りやすい体質らしく、シャツのカラーが少し高いだけでも異変が起きやすいです。

これが、着物で過ごしていると全く肩が凝らないんですよね。首回りに当たるものがなく、とても楽に過ごせます。私だけでなく、そういった理由から着物に触れるようになっていく方が意外に多いみたいですね。

男物の取り扱いが多い当店、男性のお客様からも色々なご相談やご注文を受けます。中でも多いのは、小物に関する事ですね。男物は女性のものに比べて、どうしても色柄は少なくなります。女物から奇抜な柄を選ぶ方もいますが、日常的に楽しむ方はやはり落ち着いた感覚に行き着きますね。

そんな時に差をつけるのが小物選びでしょう。見えないところに凝る裏勝りという言葉もありますが、やはり見えるところで洒落てみたい。落ち着いた着姿のなかでキラリと光る小物が求められます。

このコーナーでも度々取り上げている合切袋。当店のオリジナル制作です。最も取り入れやすいアイテムとして以前より希求されていますが、既成ではなかなか面白いものに巡り会えません。そこで、当店が所有している生地を使って作ってきました。

生地としての耐久性も強くキリッとした質感のある袴地を中心に、岡重を始めとする襦袢地などを入れてみました。取っ手の形状も色々にバラエティに富んだラインナップが出来たので、ここでも改めて紹介します。

おかげさまで好評頂いているのですが、面白い現象がひとつ。当店としては完全に男性向きを想定して制作したのですが、意外や女性のお客様が求めて行かれるケースが多いです。襦袢地などは可愛らしい柄もありますが、それらよりもより武骨に見えるデザインの方がより女性に選ばれているので驚いています。

時代ですね~。

©呉服のかわむら