かわむらの
日々

帯合わせ

村山刺繍店の作品

今年も京都染色美術展が開催されます。いわゆる呉服展示会とは違い、質の高い友禅や絞り、刺繍などの技を美術作品として鑑賞していただくことで認知を広げ、未来のものづくりに繋げていくことを目的としているものです。京セラ美術館で3月1日から6日まで開催されていますので、興味とお時間のある方はぜひご覧ください。

当店とお付き合いのあるメーカーさんも出展しています。そのなかで最も交流の深い村山刺繍店さんの作品を一組取り上げてみます。

刺繍を中心にしながら、質の高い京友禅を希求している作り手さんです。この付下げと名古屋帯にもその特徴がよく出てますね。

京友禅の特徴としては長年かけて築かれた分業体制があり、それぞれの高い技術をハーモニーさせることで質の高いものを作り上げていきます。ところが近年では職人さんの高齢化や技の継承が困難になる問題が出てきています。

対抗策としては、自らが多くの分野をカバーすることで質の高いものづくりの継続を図るというのが一つの答えでしょう。それが出来るメーカーさんも数は多くないですが、村山刺繍さんは貴重な一社です。

小売店としても、自分たちが欲しいものが早く、確実に制作してもらえるメリットがあります。春が近づき、また新しいものが上がってきますので、またここでも取り上げますね。お楽しみに。

©呉服のかわむら