かわむらの
日々

帯合わせ

花織風絽着尺 伊と幸

ゴールデンウィークも半ばに差し掛かり、当店周辺でも観光客らしき人たちをよく見かけるようになってきました。浅間大社以外には見所も少ない町でごめんなさいねと、心のなかで陳謝する毎日です。

今日までは肌寒さを感じる気温が続いてきましたが、これからまた上がってくるようですね。当地でも夏のイベントは復活させたいという声が聞こえてきますから、今年は大いに期待しております。

そんな流れから今日は夏物を取り上げますが、こんなアイテムです。

絽目を花織のように織り出した伊と幸の生地を、草木下染をかけた上から引染した色無地になります。

何年か前に醒ヶ井さんから入れたものですが、その後お目にかからないですね。ネット検索しても今のところ見つけていません。もしかして希少品?

透け感はこんな感じです。正直言って、薦められた当初は(本物でない)ということに多少の抵抗があったのですが、例えば摺り疋田や描き疋田のように他の技術でわざわざ表すのもこの世界の伝統だという事実に思い至ると、これはこれで味のあるものだと感じるようになりました。事実、色違いをお買い上げいただいたお客様からは好評を頂いています。

現在、在庫しているのは先のとこちらの二色です。同じ出し方では芸がないと思い、こちらには帯をのせてみました。同じく醒ヶ井による素描きの絽九寸帯。

このように、夏の色無地としても面白い一品ですが、単衣コートとしてスリーシーズン楽しむのも有りですね。羽織も然りです。

©呉服のかわむら