かわむらの
日々
帯合わせ
小紋「ヤツデ」と杉村すくい九寸帯
今日は組み合わせを一例ご紹介します。
フジモト制作の小紋「ヤツデ」に杉村織物のすくい織九寸帯をのせてみました。帯締めは大原商店。
ヤツデという植物は、うちの庭でも一年中青々とした姿を見せてくれています。その形状から「天狗の羽団扇」という別名を与えられたり、薬や入浴剤、殺虫剤として利用されたりもしたそうです。ヤツデが持つそういった力にあやかり、魔よけの意味を持って庭に植えられたのだそうです。きっとうちの祖父母もそれを知って植えたのでしょう。
品物に戻って、そんなヤツデをまるで迷彩のような表現で表した小紋です。フジモトさんらしい大胆さのある表現ですが、引き染を何度も重ねることで出せる深みが最大の特長になります。手間もかかる中々の力作なんですよ。
羽織向きにも行けるような小紋というお題に答えて制作してもらった一品ですが、長着にしても存在感のある良い一着になってくれますね。着物自体に存在感があるので、帯は具象的でないものを選んでいます。味のある縞と独自の光沢が特徴の九寸帯を。ユニークな織に定評のある杉村です。
第七波の到来も言われていますが、今までのような行動制限は今のところ言われていませんね。周囲の皆さんの様子も落ち着いているように見えます。注意は充分に払いながら、人間らしい活動を制限せずに生活していきたいものですね。