かわむらの
日々

帯合わせ

付下げ「霞」と梅垣袋帯

早い梅雨明けを経てこれから夏本番へ、というところで思わぬ長雨が続いています。突然ゲリラ豪雨に見舞われる地域も多く、四季を感じて楽しむ日本らしさが年々失われていくようで少し悲しいですね。

気を取り直して、今日も一組ご紹介します。

つい先日上がってきたフジモトの付下げに、梅垣織物の袋帯を合わせてみました。

柄名は「霞」。暈しと繍の繊細な表現が見所です。地色をうまく写すのに非常に苦労しました。このあたりも繊細な一品です。

付下げの繊細さを尊重しつつ着姿にインパクトを加えるべく、梅垣さんのこの帯を選びました。袋帯「唐花華文」。

落ち着いた金と色数の少なさが、全体の印象に重みを加えます。あくまでも上品に、でも目を引くコーディネートになりました。

付下げが支持されている理由は、ひとつにはその守備範囲の広さがあると思います。フォーマルな席と言えども昨今では堅さが様々ですから、帯合わせなどにより変化を付けやすい付下げの魅力はそこで発揮されます。表現はあっさりめでも深みのある今日の一品は、まさにその特長を強く有していると言えるのではないでしょうか。当店、並びに当店がお付き合いしている作り手さんたちはそういった感覚が非常に得意です。

また別の機会に、なごや帯での帯合わせもやってみようと思います。ご期待ください。

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