かわむらの
日々

帯合わせ

北川小紋にフジモト染帯

水際対策の緩和に伴って、観光地に外国からの観光客が戻ってきていますね。先日、テレビで浅草の様子が取り上げられ、レンタル着物を着用して街を歩く人々の姿が見られました。

レンタル着物店の方へのインタビューが印象的だったのですが、このお店では外国からのお客様が増えることへの対応として、彼女たちが好むビビッドな色柄の着物を大幅に増やしたとのことでした。

お客様の好みに合わせるのは店として当然の対応ですが、外国の人が相手となるとそんなご苦労もあるんだなと、妙に感心してしまいました。そして今日も浅草や京都には南国の鳥のような色柄が溢れていることでしょう。(批判してるわけではないですよ)

今日はこんな組み合わせで。

染の北川の小紋にフジモト染帯。渋好みな当店のラインナップのなかでは、明るく若向きな方に位置しているものたちです。

北川は独特なカラーがあった会社で、ビビッドと表現しても違和感ないものが多かったですね。当店の好みに合致するものも意外に多く、かつてはかなり取り扱いました。残念ながら廃業してしまい、この摺り友禅小紋は当店に残る最後の数点のうちの一点です。可愛らしい題材ですが、地色の出し方に北川の雰囲気があります。

現在、当店の友禅の多くを手掛けてくれているフジモトの染帯。絞りで表したかのように見える葉は、実は堰出しでの染め分けです。生地の大きなシボを生かし、まるで絞ったかのように見せています。落ち着きのある仕上がりが多いフジモト作品のなかで、これは「精一杯の派手」と言える一点。

今日は別に派手をテーマにしようとしたわけではないですが、冒頭書いたテレビを見たら何故かこんな紹介の仕方になりました。年代や好みに合わせて幅広い感覚を揃えるのは当然なことですが、長く受け継がれている感覚は大事にしたいと改めて思いますね。

 

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