かわむらの
日々

着物

年の瀬ですね

テレビをつければ番組は年末特番、外に出てみると車はどこも混雑気味、嫌が上にも年の瀬を迎えていることを実感します。

少し前まで暑かったように思っていましたが、はや正月です。毎年同じことを言っているようですが、時間の流れは年々早くなっているように感じてしまいます。これが歳をとった証なんでしょうね。毎年年末に感じる「何かやり残したことがあるんじゃないか」という焦燥感は、人生全体の課題になりつつあります。

暗いことばかり言っていても仕方ありませんね。今年も一年、皆様には大変お世話になりました。駄文を書き連ねてきたこのコーナーですが、お客様から「読んだよ」と声をかけていただくことも多くなり、遠方の方とのご縁にも恵まれました。取引先の皆さんからも様々な反響をいただき、自分自身の成長のためにも大きく寄与しています。来年も出来る限り数多く、内容深く続けていけるよう努力していきますので、どうぞ宜しくお願いします。

今年最後の入荷品です。

刺繍で文様を表した振袖二点。

ある取引先に注文し、半年以上言い続けてやっと上がってきたのが年末です。ゆっくり過ごしたい年末ですが、今年もそういう訳には行きませんでした。

どの作り手さんも言いますが、質の高いものほど作られなくなっていく状況は、いよいよ加速していくようです。

長年言われてきた後継者不足、それに伴う人材不足に、ここ数年のコロナ禍と物価高が追い打ちをかけていると。来年はそれがもっと顕在化していくだろうと言われます。

当店としては、取引先の作り手さんたちと今まで以上に手を組み肩を組み、水準高く魅力的な品をしっかり仕上げていくことに取り組みます。「良いものは古着屋にしかない」、「手加工のものは天文学的な値段になる」等、一部の消費者や同業者が当たり前のように言っていることを「違う」と証明する店になるべく努力を続けます。

来る年も、世界に誇る和の美を提案する担い手の一人として、後退せずに1ミリでも前に進んでいく所存ですので宜しくお願いします。

面白いことがあったら年内またしれっと更新するかもしれませんが、年末のご挨拶とさせていただきます。皆様よいお年を。

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