かわむらの
日々

帯合わせ

干支を取り入れる

正月休みの間、子供たちのリクエストに応えて買い物に付き合ってきました。今の中高生が好むような洋服屋さんを巡ってきたのですが、その年代にとっての流行の一つに90年代ブームがあるそうです。

90年代と言えば、40代後半の私たちにとっては正に二十歳前後を過ごした期間です。そう言われてみると、道行く若い人たちの服装も店に並んでいるものも、どことなく既視感があるような気がしてきますね。二十歳くらいの時には京都にいたので、当時の河原町ビブレとか寺町の古着屋さんを思い出して懐かしさを感じたりして。

しかし、その90年代当時、よく言われていたのは60年代、70年代ブームという言葉だったような気がするのですが?その時代の感じを再現したものが喜ばれていたように記憶しているのですが(パンタロンパンツなど)、同年代の皆様いかがでしょうか?

どんな事象も巡り巡っているという証の一つなんでしょうね。それも、ちょうど親世代の事物が流行るというところに面白さを感じます。自分が理解できる感覚だと、子供からねだられても思わず財布の紐が緩くなりがちで、そういう策略が大規模に広げられているのかと穿った考えさえ持ってしまいます。

四季があり、干支がある日本人にとっては、このように事象が巡るということへの理解はしやすいように感じます。特に干支は、災害や株価などこんな年になりやすいという傾向が語られたりするものですよね。さて、今年はどんな年になるでしょうか。

その、今年の干支のうさぎ。十二支のなかでも割合に文様化されることが多い動物ではないでしょうか。去年から当店の取引メーカーの皆さんも力を入れているように見受けられます。今日はその中から一組紹介します。

共に暈しを効果的に使った付下げと塩瀬染名古屋帯。フジモトの制作です。

干支は何処かと申しますと、染名古屋帯の中に。繍いで表したうさぎちゃん。暈しと金彩を効果的に使い、うさぎの跳躍を幻想的に表現しています。

柔らかな表現の中に小粋さを感じる組み合わせ。自信作です。

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