かわむらの
日々

帯合わせ

こどもの日

制限のないゴールデンウィークを迎え、世の中が動いているということを実感しますね。当店もなんだか慌ただしいです。気がついてみれば五月も五日、今日はこどもの日。当地では富士山本宮浅間大社の流鏑馬祭がクライマックスを迎える日になります。

この流鏑馬祭を迎える頃にコタツを仕舞うというのが、当地で昔から言われる風習(❔)なんですが、確かに仕舞っても良さそうな気温になってきています。日差しも強くなってきましたし、自然と心が上がりますね。

今日はこんな組み合わせで。

ともに糊糸目の仕事です。夏物の付下げに夏紬帯。付下げはフジモトの制作、帯は松寿苑制作です。

扱いが難しい真糊で、割れなどを起こさずに細かな文様を表すのが腕の見せどころ。フジモトには同様のテーマで過去にもいくつか作ってもらっています。当店としても好きなテーマと技法です。

同様の技法、同様のモチーフで表された夏物九寸帯。新しくお付き合いが始まった松寿苑の品物を見せてもらっている中で見つけた一点です。上の付下げと合わせようとして入れたわけではありませんが、せっかくなのでともに紹介してみようということです。

精緻な文様表現のほかに、もう一点この両者には共通点があります。最近の夏物に多くなってきていますが、生地が絽や紗ほど透け感の強くないものが採用されていることです。近年の気候変化の影響を受けて、着物の世界でも季節の捉え方に変化が生じています。単衣時期と夏物の境など特に影響大ですね。そういった変化への対応として、そのあたりのボーダーをぼかしたアイテムが増えてきています。今日の二点も当てはまりますね。

さらに、水の流れ、波文様というテーマは他のモチーフとの相性が幅広いところも魅力ですね。それはまさに水の特性でもあります。

今年は夏物もぜひ楽しんでいただきたいものだと、こどもの日を迎えて改めて感じました。

 

©呉服のかわむら