かわむらの
日々

帯合わせ

明石縮と七野麻八寸帯

七月は雨のスタートになりました。このところ当地では日中に晴れている時間が多く、梅雨であることを忘れてしまいそうでしたが、やはり季節は季節なんですね。

気温も急上昇ですね。湿気も多くて余計に暑さを感じます。せめて目には涼をと言うことで、今日は夏物の組み合わせをいくつか紹介します。

まず、主役はこちら。十日町、根啓織物の明石縮です。明石縮全盛の昭和初期の文様を復刻したシリーズで、中でも当時らしい感覚を備えている一点です。これに今日は、西陣宮岸織物の麻八寸帯をのせていきます。「七野」のブランド名で根強いファンを獲得している織元ですね。当店の顧客さまにもファンが多く、ロングセラーアイテムになっています。

まずは片輪車。平安の昔、牛車の車輪が乾燥し割れるのを防ぐために、定期的に外して鴨川の流れに浸した様子を文様化したものです。雅やかな雰囲気を感じさせ友禅でも多用される文様ですが、水の流れから涼を感じることで夏物にも多く表されますね。

これはちょっと何を表しているのか分かりませんが、生成りの麻の涼しげな感覚と色数も少ないことから幅広く合わせられそうなところを見ていただきたく、合わせてみました。「一見して何や分からん柄の方が色んな着物に合わせやすい」という、他の織元の社長さんの格言を体現している一品です。

色も入れなくてはと言うことで、これものせてみます。浅学にして、こちらも何を表しているのか私には分かりませんが、爽やかで落ち着いた水色が印象的です。夏を強く感じさせる組み合わせになりました。

宮岸さんの麻八寸帯は気軽に夏のおしゃれを楽しめるアイテムとして好評なんですが、例に漏れず年々価格が上昇しています。当店でも現在までの在庫品は値上げをせずに踏みとどまっていますが、来年以降は難しそうです。興味のある方はぜひお声掛けください。

 

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