かわむらの
日々
帯合わせ
貴久樹の刺繍八寸帯
以前にもここで紹介したことがある貴久樹の八寸帯。
特に季節を限定している品ではありませんが、見ての通りこれだけの透け感があります。以前取り上げた時には冬物として着物と組み合わせましたが、今日は夏物に合わせてみたいと思います。
まずは根啓織物の明石縮に。明るい黄色を基調にした夏らしい縞文様は、エキゾチックな象の存在感を高めてくれます。
黒地に、相良をはじめ複数の刺繍技法を施して仕上げた象文様。自ずから存在感は強めですけどね。
もう一点、墨流し染をかけた紋紗にのせてみました。
前の一点とは対照的にシックな印象です。以前から見てくれている方は「出た、同系色」とお思いかもしれませんね。私個人が好きで、多くやりがちな同系色合わせです。でも、透け感の大きい紋紗の場合、下に着るものの色(夏の長襦袢は白が多いかと思いますが)によって印象は大きく変わります。そこも楽しみの一つになりますね。
個性的な帯ですが、長く幅広く楽しめるなかなかの逸材であることが分かります。