かわむらの
日々
着物
東京友禅の江戸解文様
子供たちも夏休みに入りました。朝目覚めれば、外からは蝉の大合唱が聞こえてきます。
子供の頃には嬉しくて仕様がなかった季節、いや、つい最近までそうだったような気がするのですが、以前のように夏を楽しみにできない自分がいます。三年続いたコロナ規制に体が慣れさせられてしまったのでしょうか。それともただ単に年をとったということでしょうか。たぶん後者でしょう。
新入荷の一品です。
京友禅を主としながら、作家物など幅広い友禅を扱うメーカー松寿苑からの付下げです。
江戸解文様は東京の職人に依頼して描いてもらったもので、糸目や色挿しにキリッとした東向きな感覚が見て取れます。
当店で商品説明をするときに良く使う、「スカッとした」という表現に合致した感覚だと思います。鮮やかなとか、思い切りが良いとか、爽やかなとかが入り混じってそこをうまく表現できない時にまとめて使っている言葉ですが、まさにこの一品に当てはまりますね。
松寿苑さんのこだわりとしては、この地色の選択が挙げられます。やや明るめのスカイブルーとも言える色目。表現が適切でないことを承知で言うと、今の中日ドラゴンズの帽子のような色です。
薄い灰色やベージュが多い昨今の付下げでは、なかなか思い切った色の選択だと思います。かと言って顔に当ててみて派手になるわけではなく、むしろ顔映りを明るく見せてくれる効果がありますね。その辺りはぜひお試しいただきたいです。
今年の秋冬物の第一便にいかがですかと提案いただいた物ですが、真夏にも関わらず早くも当店の一員になってもらいました。これだから支払いが大変なんだよなと思いつつ、なかなか楽しい毎日です。