かわむらの
日々
帯合わせ
秋の小紋、染名古屋帯
まだまだ残暑が厳しい日が続いていますが、朝晩の空気はやや変わってきた感もあります。特に今年は気温が高くなってからの期間が長く、ずっと真夏が続いているという感じでしたから、秋の訪れが待ち遠しい方も多いのではないでしょうか。
今日はこんな組み合わせで。
まさに秋を表現していると言っていいでしょう、醒ヶ井制作の小紋と菱健の染名古屋帯。
醒ヶ井の小紋は慶長文様の形式をベースに作られており、制作段階では特に秋を意識したものではなかったと思います。でも色といい全面に出ている草木といい、やはり秋向きな仕上がりになっていますね。
対する菱健の染帯は、光悦垣に萩でしょうか。紅葉したとみられる蔦の表現と併せ、やはりこちらも秋のものですね。合わせてまさに秋を全体で表現した組み合わせになりました。
ここ数年の傾向として、日中に暑さを感じる時期が昔より伸びて、やっと涼しくなってきたと思ったらすぐに冬が来る感があります。最も過ごしやすく充実した時期である秋を楽しむ時間が、年々少なくなってきているような気がしませんか。
先取りの方が好ましいと言われる着物の柄選びにおいても、秋の柄を取り入れることに難しさを感じるかもしれません。しかし、だからこそ逆に秋の柄にトライしていただきたいものです。短くなってきている季節を楽しむ心を全身で表現、なかなかお洒落なことだと思います。