かわむらの
日々
帯合わせ
「今年も残すところあと〇〇日となりました」なんて言葉がテレビから聞こえてくると、「わかったからそう何度も言わないで」と返したくなってしまいます。ただ、よく考えてみるとこれほど実感の湧かないまま迎える年の瀬というのも珍しいのではないでしょうか。本日から週末に向かう数日間、当地周辺の気温は20度に迫るほどに上がると言われています。寒いよりは暖かい方がありがたいのですが、季節感がなくなっていく寂しさを感じずにはいられませんね。
今日はこんな組み合わせを。
千切屋(制作は岡重)の小紋に、植山正織物のすくい織八寸帯をのせてみました。
手描きで玩具文様を飛び柄に配した、可愛らしいモチーフの一品です。七五三の七歳向きにも行けるかなと思い入れたものですが、地色の感覚からするともっと上の年代まで楽しんでいただけるでしょう。以前に、塩瀬の染帯と合わせて十三参り向きにと紹介したこともありますが、それよりも先まで十分に活躍させてあげられます。ある意味、年齢不詳な一品と言えるかもしれません。
相方となる植山さんの八寸も、これまた年齢不詳な顔つきです。可愛らしいモチーフに渋い地色。濃地の紬などと一緒に紹介することが多かった一品ですが、今日はこのように年齢不詳をテーマに登場させてみました。いかがでしょう。
年齢不詳ということはイコール長く楽しめるアイテムであるとも言えます。早い段階から作っておき、成長とともに長く楽しんでいただくのがおすすめですかね。