かわむらの
日々

しばらくご無沙汰してしまいましたが、今日からまたこちらも通常運転して参ります。

流行が少ないと言われる呉服業界にあっても、十数年前に起こった長羽織ブームは、丈の長さの微調整を加えながら長いムーブメントになっていると思います。当店でも、着物に興味を持ち始めたというお客様が割合早くに手を伸ばすのが羽織、という傾向があります。

昔から作られている羽尺に加え、着尺からも作れますし、生地の厚さがあれば長襦袢地からでも面白いものが作れます。用途に合わせ、自由に楽しめるところも魅力なんじゃないでしょうか。

今日は、その中から羽織コート専用の品物を紹介します。

丹後紋意匠の生地を黒染めし、縦付けに唐花文様を表した一品。羽織コート用に仮絵羽してご提案です。

柄付けは印伝の技法で行われています。すなわち、漆を使用した型染め。普通の型染めに比べ、立体感のある文様表現が大きな特徴になります。

十日町のメーカーが制作しているもので、以前は当店でもよく扱っていましたが、最近すっかりご無沙汰になっていました。問屋が展示会向きに提案することが多くなり、「幻の印伝染」みたいな副題と共に大袈裟に売られることが多いと聞いて敬遠していました。

昨年末に比較的手頃な価格で勧められたこともあり、久しぶりに仕入れてみました。万能な黒地で、年齢幅も広く着用していただける一品ですのでおすすめです。ぜひご覧ください。