かわむらの
日々

４月も終盤に入り、ゴールデンウィークも近づいてきました。毎年この時期になると、冬場に注文しておいた浴衣が続々と上がってきます。

流行というものが少ない呉服業界の中では、浴衣は振袖と並んでその年の傾向が出やすい数少ないアイテムと言えます。とはいえ、その店々の好みというものがやはりあって、当店でも流行にはあまり左右されない柄を揃えていると自負しております。良くも悪くも。

一例で、井登美の優華壇浴衣。今年は振袖の流行が影響したのかくすみカラー的なものが増えたという印象ですが、当店ではその感覚は好まないので、自然とモノトーン系に集中しました。継続柄の金魚も今年はモノトーンです。

元々こういう色合いが似合う柄という印象ですが、今までは色が入ってくることが多かったですね。

その他、お馴染みの浜松注染や東京本染もしっかり揃えました。以前にも取り上げた麻も各産地のものが揃っています。

当地周辺では六月はじめに高校の体育祭が行われ、そこで浴衣を着用する学校がいくつかあります。そのため、ゴールデンウィーク前には染め上げてもらうのが通例となっております。和装への入り口ともなりやすい浴衣を若いうちから親しんでもらうのは、呉服屋としてもありがたいことです。コロナの影響からやっと抜け出せた感のある今年は、ぜひより多くの方に浴衣を楽しんでいただきたいと願っております。