かわむらの
日々

着物

夏物染帯 白鷺

新緑が目に眩しい季節になってきました。近くの公園などを歩くのにも楽しみが増えて嬉しいのですが、吹き出してくる汗には少し困りますね。太り気味の中年には厳しい季節が近づいてきたことを実感しています。

季節を感じさせる話題をもう一つ。

今年も当店の看板にツバメが巣作りを始めました。年によって「かわむら呉服店」のうち「か」の字か「店」のところに分かれますが、今年は「か」の方になりました。どちらの方が縁起の良い年だったかについては統計を取っていないので分かりませんが、最近ではカラスの襲撃を受けたりして巣立つところまで行かないことも多かったので、まずは無事に子育てができることを祈ります。

そして、紹介品はもう少し大きめの鳥類で。

薄物に織り上げた小千谷の紬地に、水辺で遊ぶ白鷺の姿を描き上げてもらった九寸の染帯です。フジモトさんに発注してあったものが、ちょうど良い季節に上がってきました。

鳥という題材は好みが分かれやすい傾向にありますが、生成りからやや卵色がかったこの地色に、白、青、緑が絶妙なバランスで配された感覚に魅せられました。

ハラ文です。描き味も爽やかな感覚。

今年はお出かけの機会も増え、特に単衣のご注文を例年より多くいただいています。ここ数年の騒動も一応の落ち着きを見せていますし、皆さん自然と気持ちも外向きになるのでしょうね。こちらはゴールデンウィーク中もずっと店にいますが、多くの皆様がお出かけを楽しんでいることを想像しながら、自分の気持ちも上げて過ごそうと思っております。がんばります。

©呉服のかわむら