かわむらの
日々

帯合わせ

吉澤織物 薄物紬

八月に入ったと思っていたら既に一週間以上過ぎ、当地の雰囲気は月遅れの盆のものになってきました。いつものことながら、時の流れの速さには溜息が出そうになります。

投稿のたび、定点観測のように行なってきた看板ツバメ情報。夏祭りの終わりと時を同じくして巣立って行きました。今年はふた家族、計五羽がここで育ち、飛び立って行きました。その間、道ゆく皆様の目を楽しませてくれました。入り口が賑やかなおかげで何となく明るい気持ちで過ごせたことにも感謝です。来年もぜひ来てもらいたいものですね。

さて、夏も終わりが近づいているというのに、夏物を新たに仕入れてしまいました。

吉澤織物の紬。糸の色を微妙に変えて織ることで薄く横段になっている一品です。薄物に織ってあります。十日町の無地系紬というベーシックなアイテムでありながら、ちょっと凝っている部分もあって面白く、尚且つ実際の着用でも幅広く合わせやすいという利点を感じ、市松に織ったものなど様々なタイプを扱ってきました。

しかし、これをもって製作をやめたということなので、今特にいらないと思っていましたが入れておきました。薄物とは言っても透け感はそう強くないので、今の気候なら夏に限らず着用できますし。こういった何でもない感覚の紬をおしゃれに着こなすのも一手かなと思います。

帯合わせの一例を。

早速出ました同系色。やはり薄物に織った北近江の浅井紬を地に、手描きで表した柳に蛙。制作はフジモトです。

となみ織物の紗九寸帯。ローブデコルテを切り取った文様表現ですね。やはり当店好みの同系でまとめました。

夏に限らない着用時の一例として、山田織物の紹巴九寸帯。ここまで見て貰えばよくお分かりいただけると思いますが、ほとんど無地の感覚なので色が大きく離れない限り万能に合わせられます。まさに、ひとチームに一人は欲しいユーティリティープレーヤー。

最終版として以前よりも値打ちに置いていってくれたので、当店でもよりお買い求めやすい価格で提案します。ぜひご覧ください。

©呉服のかわむら