かわむらの
日々

着物

お盆も過ぎて

秋を見据えていかなければならない時期になりましたが、未だ毎日のように熱中症警戒アラートが発令されています。昨晩なども我が家では、なかなか寝付けないほどの熱帯夜でした。これを記している今も、外はサウナのような蒸し暑さです。

そんな気候ではありますが、今年の当店では夏物がよく出ました。コロナ禍の締め付けがなくなり、夏のイベントが復活してきたことも一因ではありますが、もう一つ、この気候に関連する要因があるということに気付かされました。

一例として、ここでも何度か取り上げている夏物小紋を挙げます。伊と幸の生地でフジモトに制作してもらった一品ですが

ご覧の通り、絽や紗の透け感と違ってそのまま薄物に織ったという感覚で仕上がっています。どの作り手さんでも、最近はこういった生地を選択して夏物を作ることが多くなってきていますし、当店でも指定しています。

結果、秋と呼ばれる季節になってもかなりの高温が続く昨今の状況では、これくらいの感覚の地のものが活躍する期間が長くなってきていると言えます。当店のお客様でも、夏とその先を見越してこれらの生地感のものを新調してくれる方が増えました。

博多西村織物の単衣八寸帯をのせてみました。こう言った合わせ方で単衣の時期にも着用していただけます。

ここ二ヶ月ほど、このコーナーでも「夏物が好調」とお伝えしてきましたが、正しくは夏物と単衣のボーダーを越えた商品が好調だったと言えそうです。また来年向けに仕込まなければならないですが、よくよくそのあたりを認識して、より魅力的な品物を作って行きたいものです。

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