かわむらの
日々

帯合わせ

地紋活かしの小紋

10月にして真夏日を記録した日から一転、急に秋めいて参りました。今朝などは厚手の布団を求めて早起きしてしまうほどで、この気温の急降下には体が堪えますね。実際、調子を崩す方が急増している様です。皆様もご自愛ください。

今日はこんな一品を取り上げます。

印象的なバラの地紋を活かして、ごく薄いベージュの色染と飛び柄にバラ文を配した小紋。取引先の問屋さんが企画的に染めたうちの一点です。あっさりとした加工ですけど、じわじわ魅力を感じて当店の仲間に入れました。

表現があっさりとしているので帯合わせは幅広いですが、今日はあえてコッテリとした柄を乗せてみます。山田織物の紹巴九寸帯。特に深い意味は持ちませんが、なんとなく色と雰囲気で。

美術館巡りなどのお出かけからパーティー会場など、いろいろな場所でちょうど良く映える感覚かと思います。余談ですが、呉服屋が着用場所として「ちょっとしたパーティー」という言葉を使います。私もつい使ってしまいがちなのですが、それに対して「ちょっとしたパーティーって何だよ、そんなの行ったことないよ」と言うツッコミがSNSなどで展開され、それこそちょっとした話題になったことがありました。確かに、現在の我々一般人にとってそんな集まりなど皆無ですね。各種団体の新年会などを含めるのなら話は別ですが。

そんな折、面識のある遠方の同業さんが、その話題を逆手にとって「ちょっとしたパーティー」と言う名のパーティーを店の主催で開催し、顧客様から大いに喜ばれたそうです。その話を聞いて面白いと思うと同時に、最近はフォーマルとカジュアルの境目をぼかした商品が多くなってきているので、それらを実際に着用できる機会の提供という意味で素晴らしいことだなと感心しました。「それならお前もやってみろ」と言われると、生来の引っ込み思案なのでとても真似できませんが。

話が逸れましたが、色々な場所で楽しめる組み合わせとしておすすめです。

©呉服のかわむら