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成人式が中止に

今朝のニュースで、当地富士宮市では年明けの成人式を中止することになったと報道されました。ここ最近のコロナ感染者の増加、成人者の多くが流行地である首都圏から帰郷する事情を鑑みると、当局の判断もやむを得ないのかもしれません。

当店も、購入いただいたサービスとして当日の着付けを行っているので、取り急ぎ対象となっているお客様には連絡を入れました。幸いに皆さん、式典はなくとも予定通り家族で祝うとか、時期をずらして写真を撮ろうとか、落ち着いた対応を取ってくれていました。「別に成人式っていう一日のために買ったわけじゃないもんね」という声をかけてくれた方もあり、正にそれは私たちとしても同感な考え方であります。

衣装を購入された方は落ち着いていられても、レンタルの方は多少の混乱が予想されていますね。先に中止を発表した自治体周辺の業者からは悲鳴に似た声が聞こえていると、取引先の営業が言っていました。本当に、商いの道もどこに落とし穴があるか分からないものですね。

コロナが落ち着けば、また元の形に戻るのでしょうか?そうであった方が業界としては良いのでしょうが、今回のこの騒動を経て人の心にも変化が起こるような気がしてなりません。必要なものとそうでないもの、意味があるものとそうでないもの、今までは流れに沿って何となく続けられてきたものが、厳しい目で選別されるようになりはしないでしょうか?自分に置き換えても、この期間中に生活または意識のなかで起きた変化はいくつもあります。選別されて置いていかれる方に入らないよう、よくよく気を引き締めて行かなければいけないですね。

今日はこんな組み合わせを紹介します。

千切屋制作の付下げと、おおばの袋帯。

若さ、華やかさのある組み合わせですね。元から今日はこの一組を紹介する予定で準備していたところ、上記のニュースが入って前置きが長くなりました。

若向きではありますけれど、二点ともにしっとりとした上品さのある仕上がりですから、長く愛用してもらえます。仕事の良さも折り紙つき。宝尽くしに鳳凰文という吉祥文様の組み合わせも良いです。

残念なニュースが続いていますけど、この文様のように明るく華やかな世相になってくれることを望みたいですね。

 

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