かわむらの
日々

帯合わせ

雪ウサギにクリスマス帯

今日も定点観測からスタートです。

クリスマスイブにしてやっと降雪中…かな?という感じの富士のお山。夕方になると毎日のように見える赤富士は確かにきれいですけど、やはりその季節らしい姿が待望されます。

さて皆さん、今日はどんな風に過ごされるのでしょうか?感染拡大が危惧されている中ですから、家で静かに過ごすという方が多いのでしょうね。私たちもそうします。子供たちにはチキンレッグを用意し、私は鳥鍋です。子供たちはシャンメリーを飲み、私は焼酎です。私だけ何も変わらない、いつもの晩酌です。

小学校高学年になった息子にクリスマスプレゼントは何が欲しいか訊ねたところ、「現金」という答えが返ってきました。「アンパンマンの◯◯がほしいです」なんて、一生懸命サンタさんに手紙を書いていたあの頃が懐かしい。今は自分の目の前にいる中年男がサンタの正体だと気づいてしまい、夢のないクリスマスになってしまいました。でも、家族揃っていつもと少し違う時間を過ごせるだけでも幸せなんでしょうね。いつか、もっと時が過ぎれば、今年のことだって懐かしく思い出したりするんだろうなと思います。

今日の紹介品はこちら。

醒ヶ井の絞り着尺「雪ウサギ」に、西陣まいづるの九寸名古屋帯をのせました。

降り積もる雪を喜び、はしゃぎ回っているような感覚です。モチーフは非常に可愛らしいですが、着尺の地色の渋さなどを考慮すると大人の女性向きでしょうね。今年は断念せざるを得ませんが、各種クリスマスパーティーなどに着ていっていただきたい組み合わせです。

今回は敢えて出しませんでしたが、帯の柄のうち樅の木の上にはトナカイが織り出されています。本当はそのトナカイを出した方がよりクリスマスらしいのですが、それを隠すことによって単なる雪景色になってクリスマス以降も使えないものだろうか、そんなことを画策してこうしてみました。

まあ、でも、やっぱりクリスマスですよね。何事も欲張ってはいけませんね。季節や事物を表現して楽しむのが和装の醍醐味ですから、その贅沢さこそを楽しむべきでしょう。

それでは皆さま、素敵なイブをお過ごしください。次の投稿からは正月モード全開になることを予告しつつ、今日は以上といたします。

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