かわむらの
日々

帯合わせ

十日町紬の組み合わせ

クリスマスが過ぎれば、はや歳末モードですね。今年はコロナ騒ぎの影響もあって、いつにも増して年末らしさを感じられないような気がします。早く落ち着いて時節を楽しめるようになりたいものですね。

今日は紬の組み合わせ例を取り上げてみます。

十日町吉澤織物の紬に、同じく十日町西川織物の紬九寸名古屋帯。当店好みの同系色でまとめてみました。

吉澤のこの一品は、一見無地織のように見えますが、微妙に色を変えて市松に織り上げているのが特徴です。この然り気無さと、角通し状に上がった生地風合いが面白いので仕入れてみました。

絞りと型染を併用した西川織物のこのシリーズ、お値段的にもこなれていて洒落た感覚も多かったのでよく扱いましたが、制作を止めてしまったようですね。残念です。

京都に次ぐ規模の産地として知られる十日町ですが、産地としての疲弊は他と変わらず厳しいものがあるようです。

十日町の特徴のひとつは、上に挙げたように手を出しやすい価格帯で良い洒落ものを生産してくれるところで、実際に着用して楽しまれる方にとって心強い産地だと思います。当店でも、大島や結城などより十日町のお洒落なものをたくさん揃えたいというお客様が一定数いらっしゃいます。そして、確かにお洒落な着こなしを見せてくれます。

まあ、どこの産地も頑張っていただきたいですし、そのためには我々のような小売店がそれらの魅力を伝える努力を重ねていかなければいけないことは言うまでもないですね。元から厳しい市況のなか、コロナ禍でより一層厳しくなってきています。うちのような小さな店が叫んだところで大勢に変わりはないでしょうが、小さな一手でも打っていかなければどうにもならないですから、来る令和三年も出来ることを精一杯やっていこうと思います。

まだ今年も数日残ってますね。あと1、2回は更新できそうですから、まだまだ宜しくお願いします。

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