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梅垣織物の名古屋帯

定休日明けの投稿は、やはり定点観測から。

今日は一日、厚い雲が色々な形でかかっていましたね。天気が崩れてくる予報が出ていますが、その影響でしょうか。

最近、付下げや訪問着などにも向く名古屋帯という分野が注目されています。当店でも引き合いは強く、各織元でも精力的に制作してくれていますし、染匠さんや刺繍屋さんでも意識して作っているところがあります。ガチガチのフォーマルシーンが全体的に減り、セミフォーマルが相応しいような場が増えているという事情があるのでしょう。結婚式しかり、子供の入学式や卒業式しかり。

当店と関わりのある織元のなかで、最も精力的に制作してくれているのはやはり梅垣織物さんですね。西陣のなかでも品質の高さはよく知られているメーカーですから、文様表現にしても織組織にしても非常に優れています。

九寸名古屋帯 絵本小袖文

九寸名古屋帯 乾山絵皿文

織についての話は、私の拙い説明よりも梅垣さん自身の方が圧倒的に分かりやすくて詳しいので、同社のホームページのアドレスを貼っておきます。参照してください。

http://www.umegakiorimono.co.jp/

織物作品を見るのは勿論ですが、梅垣社長が月に一度掲載しているコラム「こばなし」というコーナーもおすすめです。社会や経済の情勢を見る目と、その上で現在この業界にいる人間としての行動指針を発してくれていて、同じ業界の片隅にいる者として大いに参考にさせてもらっています。

SNSを通じて親しくさせていただいている遠方のお客様から聞いた話なのですが、呉服店によっては名古屋帯を求めに行っても袋帯ばかりすすめたがるところや、名古屋帯などは使い途がないとまで言うところもあるのだとか。そういう主義なのか、それとも売上を大きくするための策なのか、その意図は量りかねますが、少なくともお客様のためになろうという姿勢ではないですよね。

梅垣さんが名古屋帯の制作を始めたのも、小売の場を見ることや同業人たちとの交わりのなかから消費者のニーズに気付いて、と「こばなし」欄にありました。ニーズに合っていることは、当店でも実感しているところです。

今年も充実させていきますので、ぜひご覧ください。

 

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