かわむらの
日々

着物

男女どちらにも 染の一富士縞小紋

近年、着物に目覚める男性も増えてきまして、男物のご注文を頂く機会が多くなってきました。今年は残念でしたが、成人式用に誂えてくれる方も毎年いらっしゃいます。

そういうご注文にお応えする時、従来は西陣か丹後の御召をお見せすることが多かったのですが、最近では染の方でも魅力的なものが多くなってきて、所謂たれものをおすすめすることもよくあります。今日はそんな一品を紹介します。

昨年の暮れ近くになって染の一富士さんから上がってきた縞小紋。黒と青鼠色。

上記したように男物としての使用も考慮されていて、生地巾は一尺五分(約40センチ)。畳の目状の地紋を織り出してあるため、縞と地紋の横線が交差して格子のように映ります。そこも狙って出した味わいですね。

アンサンブルにも対応すべく、二反揃えてあります。羽織、着物どちらかだけにしてツートンで楽しむのもお洒落なんですが、アンサンブルの重さも魅力がありますね。いずれにしても、荒れてる新成人たちが着ているのとは明らかな違いがあります。

自分でも実感していることですが、男の着物は本当に長く着用できますね。二十歳の頃に作ってもらったものも今だに現役です。羽織を変え着物を変えと、組み合わせ次第で色々な活用が出来ますし、時には数十年前の祖父の着物や羽織も取り入れています。どこかひとつ新しくすれば全体が大きく変わりますから。

もちろん、今日紹介の一品は女性向きにもお洒落な小紋になります。多様な使い方が出来る楽しいアイテムですね。

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