かわむらの
日々

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姪の誕生と名店の閉店

しばらくこの「かわむらの日々」をご無沙汰していましたが、実は私がぎっくり腰になってしまっていました。月末30日の忙しい最中に突然の激痛に襲われ、そのまま月が変わる今日まで撃沈です。その間の二日間、従兄が営む接骨院(好文堂接骨院といいます。おすすめです)で入念に治療してもらい、ようやく立って歩けるところまで来ました。

歩く姿がまるで狂言のモノマネをする芸人のようだと笑われますが、呉服屋なのでちょうど良いでしょう。しかし、困ったことに月末の慌ただしさの中でここに載せる画像のストックがなく、コーディネートなど紹介できないので、空いた期間の間にあった出来事などを記してみようと思います。

まずは姪の誕生。誕生はすでに1月初旬だったのですが、お母さんの休養期間を経て初めての来店です。今後、この店にいることもよくあると思いますので、皆様どうぞ宜しくお願い致します。ちなみに、この写真を撮った後にぎっくり腰になりました。昼食に行く家族たちを、この子と共に寝かされながら見送る羽目になった事とあわせ、後々まで印象深い写真になりそうです。

もう一つ、この1月31日をもって富士宮の老舗とんかつ店「とんかつ桂」さんが閉店しました。この店を経営していた桂巻さんは私の父と高校の同級生で、その縁もあって小さな頃から通い続けた思い入れの深いお店です。

最後に頂いたヒレカツ。子供の頃からずっと注文し続けた一品です。素材と仕事が良いから胸焼けなんて無縁でした。もう食べられないかと思うと本当に残念。

この桂さんの閉店はずっと前から決めていたことで、コロナ禍は全く関係ないです。むしろこの一年間、店もテイクアウト(桂さんでは「配達」と呼んでいました)も今まで以上に忙しかったそうで、桂巻さんご夫妻はこれから悠々自適に過ごされる事でしょう。私も両親を早くそうさせてあげたいのですが、なかなかそうも行きません。

話を戻して、このとんかつ桂さんはテレビなどの取材を全く受けない店でした。だから市外の方や、市内の方でも知らない人がいるかもしれません。でも、店はいつも賑わい、テイクアウト(配達)も一人でよく捌けるなと思うほどの注文をこなしていました。常連さんの支持が本当に凄かったのです。知らない人が外観を見ても、その人気ぶりは想像がつかなかったろうと思います。それはやはり素材の良さと仕事の良さ、それに加えて桂巻さんたちの人間の魅力があってのことだと、若輩者ながらに推測しております。

いたずらに店を広げることなく、そこにしかないものを作り上げ、多くの人がそこに行きたいと思う空間を作り上げた。結果、こんな大変な時期にも最高の盛り上がりを見せて終幕する。同じ家族経営の店を営む者として、最高のお手本であり教科書でした。伺った時に聞いた色々な話を思い出し、改めていま感謝しております。

でも、寂しくなりますね。自分たちの店も誰かにとってこういう存在になれるよう、なくなって欲しくない店でいられるよう日々磨いていきたいと、痛む腰を抱えながら考えた週末でした。

©呉服のかわむら