かわむらの
日々
帯合わせ
村山刺繍の付下げ
既に商品紹介コーナーにも載せましたが、村山刺繍さんから新しい品が上がってきているのでここでも取り上げます。
作品名は「金彩袿雲にツタ」
加飾の中心はもちろん刺繍なんですが、村山刺繍さんの特徴は友禅仕事や金彩加工なども自社で行える体制を整えているところ。この一点も金彩加工やぼかし表現も高いレベルで施されています。
刺繍の特長は元より表現の自由度にありますが、それ以外の加工も自社で行うことによってよりオリジナルなものづくりが可能になります。事実、この一点を含め、村山刺繍さんの品はほとんど一点物です。
友禅の制作者である染匠は、それぞれの技術者をまとめ最終的に作品を作り上げるプロデューサーであり、オーケストラの指揮者にも例えられたりするものですが、村山刺繍さんは云わば刺繍という技術を入口にして、刺繍を中心に据えた染匠になったと理解すれば良いでしょうか。その制作姿勢やセンスは、当店も非常に信頼を置いているところであります。
帯合わせ。最初にこの付下げを見た時にすぐ浮かんだのがこの帯です。桝屋高尾のねん金綴錦。一緒に作ったかのような顔つきですね。ある程度格式のあるフォーマルシーンから軽い集まりまで、幅広い着用シーンをカバーできそうな感覚です。
梅垣織物袋帯「松皮取唐花文」
上のねん金綴と全く同じ説明で良いでしょう。飽くまで上品に、それでいて目立つ着姿が期待できます。
ご縁があってお付き合いがスタートした村山刺繍さん。コロナ禍のなかでも順調に良い関係を築かせていただいています。ものづくりの提案も色々といただいているので、これからの展開が楽しみな存在です。