かわむらの
日々

帯合わせ

染帯「ペンギン」を合わせてみる

既に商品紹介ページには載せてありますが、成謙さんから新しく上がってきた染帯「ペンギン」です。

薄物の小千谷紬地に表されたペンギンたちの軽やかな動感と、渋めに上がった地色が当店好みの一品。夏物にカテゴライズされるものですが、完全に透ける素材ではないため少し幅広く着用できそうなところも魅力です。今日はこの帯を着物と合わせてみます。

まずはフジモトの絽付下げ小紋「波千鳥」。ペンギンの居住地を暗示的に表そうと合わせてみましたが、調べてみると南極には渡り鳥は生息していないということでした。渡り鳥とペンギンが同居する世界ということでご覧ください。

渋め茄子紺系の地色が、帯の地色にもよく馴染みます。全然関係ないですが、横浜大洋ホエールズのビジターユニフォームがこういう色の取り合わせでした。長いファン歴のなかでも一番好きなデザインです。

次もやはり水に関係する文様で、同じくフジモトの付下げ「波」。糊糸目の繊細な線が特徴的な一品です。

本来は鴨川の流れなどがモチーフになっているのでしょうが、ここでは南極の波に変わっていただきます。

醒ヶ井の絞り紋紗「観世水」。

大きな渦のなかで、より健気な姿に見えてきます。

単衣向きに提案。ワタマサの紋御召で、上と同じく流水紋です。

地色も同色系で、融和してる感があります。小物でまた印象を変える楽しさがありますね。

フジモトの小紋「霞ぼかし」

海から離れて空を表現してみました。上から俯瞰した感じです。

帯のストーリー性に合わせた舞台として、着物選びをしてみました。なかなか楽しい作業ですね。またやってみます。

©呉服のかわむら