かわむらの
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新粋染浴衣 追加

ゴールデンウィークを直前にして、首都圏や関西地方の都市部には緊急事態宣言が出されるようですね。一度目の時のような緊張感がないという指摘もありますが、人々の心や行動にまた制限がかけられる状態になっていることは確かです。

昨年のことを思い出すと、ちょうど今頃は突然襲ってきたコロナへの対応で子供たちの学校も未だ休校中、外に出るのも躊躇われて街から人の姿が消えていました。(富士宮の商店街はいつもそうじゃないかという説もあり)

そんな中でも、当店には年初すぐに発注してあった浴衣が続々と届き、(これは困ったことになったぞ)と肝を冷やしたものでした。普通に考えれば、出ていく場所がないのに買ってもらえる訳がない。幸い、当店が仕入れている浴衣は流行に左右されるようなものではないから、コロナが収まってから買ってもらえればいいかなと、そんなふうに考えていました。

ところが、ふたを開けてみると浴衣を始め麻や綿の着物は非常によく出ました。自粛生活の気分を変えるため、また、制約があるなかでせめて買い物くらいと考えるお客様が多かったようです。結果、浴衣の持ち越し在庫はここ数年で最も少なくなりました。他のお店やメーカーの話を聞いても、軒並み去年は駄目だったと言うのに、ありがたいことです。なので、今年も例年通りの発注をすることが出来ました。

今日は、東京本染の新粋染から追加分の浴衣が届いたので、こちらに載せておきます。

蝶の羽根部分の細かな文様が面白い一品。夏の衣装としての涼やかさもあります。

一転して、重みのある一品。濃墨色の深みある地色と注染ならではの暈しがよく表れてます。

生成りの地色に紺の文様がよく映ります。さっぱりとした江戸好みな感覚ですね。

ちなみに、同じ柄の色違い。ここまで印象が変わります。型染の面白さのひとつですね。

何度も言っているので耳にタコかもしれませんが、夏は着物ライフのスタートに適した季節です。多少の制約がある毎日の、単調になりがちな生活に新鮮さを与える効果もあるでしょう。こういう時期だからこそ、浴衣を始めとした気軽な着物にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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